Employment
雇用・労働環境
「非日常」の商品企画案を社内で募集
グランプリ案をブラッシュアップしています
ISHIYAの企業理念「しあわせをつくるお菓子」
そして2020年に掲げた長期ビジョン「100年先も、北海道に愛される会社へ」
これからもずっと100年先も北海道がすばらしいところであり続けてほしい。
そんな想いをお伝えするISHIYAサスティナブルストーリー。
2024年9月、「日常の中の非日常」をコンセプトとした商品企画案を全従業員から募集しました。1ヵ月間で61件の応募があり、その中から情報システムチームに所属する今 俊太郎さんがグランプリを獲得。2025年中の発売を目指しています。
今回は、プロジェクトを開催した販売部のメンバー、グランプリ受賞者、試作にたずさわる宮の沢工場のメンバーにそれぞれの思いを聞きました。
- 販売部ゼネラルマネージャー 高橋洋介さん
- 販売部 物販チーム 秋山美里さん
- 経営管理部 情報システムチーム 今 俊太郎さん
- 宮の沢工場ゼネラルマネージャー 小針 学さん
「自ら望んでつくる特別な時間」のために
高橋:ISHIYAのお菓子はお土産やギフトとして親しまれていますが、もっと皆さまの「日常」に寄り添って、お菓子を食べていただける機会を提供したい、と考えています。そのためにどんなお菓子をつくるべきか。通常、新商品の企画案は経営幹部が中心となってアイデアを出し合っていますが、いつも同じメンバーではアイデアが凝り固まってしまう、といった危機感もありました。ならば「従業員みんなの力を借りよう」とこのプロジェクトが始まったわけです。
販売部ゼネラルマネージャー 高橋洋介さん
秋山:お菓子の条件として、夏も販売できること(チョコレートが溶けないなど)、気軽に購入できる1個売り(バラ菓子)を基本にすること、売場作りも考慮して3〜4種類のフレーバー展開ができることの3点を設定しました。それから、お菓子の背景にあるストーリーも大事にしたかったので「あなたが思う日常の中の非日常とは?」という考え方を添えてもらいました。グランプリになった今さんは1人で4つもアイデアを出してくれて、どれも良かったのですが、何よりこの考え方が素晴らしかった。審査員全員の心に刺さりました。
販売部 物販チーム 秋山美里さん
今:ありがとうございます。では応募の際に記載した内容を読み上げますね。
『私の考える「日常の中の非日常」とは、普段の生活の中にあるけれど、毎日訪れるようなものではない特別な時間。今回の商品企画で目指すお菓子のあるべき姿は、家事のちょっとした隙間時間や、小腹が空いた時に食べるようなものではなくて、そのお菓子を楽しむための時間を作りたくなるようなお菓子。いいかえると、日常の中に自ら望んでつくった特別な時間。それを「非日常」ととらえ、そこに存在できるようなお菓子』
と考えました。
経営管理部 情報システムチーム 今 俊太郎さん
高橋:「非日常」は人によって解釈の幅が広く、なんとなく分かるようでハッキリしたものがなかったのですが、今さんの提案で「まさにこれだ!」と教えてもらった気がしました。
ただいま、とことん試作中!
秋山:応募の61件には、いろいろなジャンルのお菓子がありましたね。
高橋:何より嬉しかったのは、今さんもそうですが、ふだん商品企画と離れた部署の人が多数応募してくれたこと。さすがに製造現場からのアイデアは完成度が高く、すぐに商品化できそうな提案が多かったです。
小針:宮の沢工場では今期の目標として「1人(または1チーム)1品、新商品を提案しよう」と取り組んでいるんです。みんな熱心に勉強してくれて、ヨーロッパの地方菓子にこんなのがあって、今の工場の機械を使ってこういう工夫ができるとか、この取り組みは引き続きやっていこうと思っています。それはそれとして、私が褒めたいのは、そういった製造部の提案を全部なぎ倒してグランプリになった今さんですよ。これはフランスのお菓子が原型?
宮の沢工場ゼネラルマネージャー 小針 学さん
今:はい、フランスの「ティグレ」というお菓子がベースです。ティグレはフランス語でトラのことで、フィナンシェ生地にチョコチップを入れて焼くと、トラ模様に似ているからそう呼ばれていて、贅沢感があっていいなと思いました。一般的にはチョコチップを入れるだけでなく、天面にチョコレートクリームがのっているものが主流となっていますが、それだと夏に溶けてしまうので、生地に練り込むなど工夫しています。
秋山:その工夫が審査員に刺さった2つ目のポイントです。暑さでチョコレートが溶けないように、かつ、おいしさにも妥協しない工夫に惹きつけられました。
今:じつは企画提案のときは、チョコレートを染み込ませればいいと安直に考えていました。でも試作段階になって、現実的には難しいことがわかりました。そこで企画を見直し、ブラッシュアップして、生地にチョコレートを練り込んで焼く方法がいいのではないか、と。チョコレートの風味を出しつつサクサク感もあり、製造工程も無理がないように開発している途中です。

小針:今回のプロジェクトで面白いのは、企画した人(今さん)と、試作する人(宮の沢工場の開発担当者)が、一緒にモノづくりまでする点です。今さんが開発現場に入ることで、実際にできること・できないことを実感し、納得できない部分があれば、納得できるまでやればいい。できないことを諦める必要は全くなくて、次の方策を考えればいい。つまり今さんが言ってくれたブラッシュアップですね。
高橋:私はプロジェクトを始めた当初、企画した人がどこまで関与するべきか、ずっと気になっていたんです。でも試作が進むにつれて、「今さんがこのお菓子のブランドオーナーなんだから、オーナーがOKを出すまで徹底的にやろう!」という雰囲気が出てきました。
秋山:私はふだん「ISHIYA G」というブランドの企画を担当していますが、今回のプロジェクトは振り出しから試作まで参加しています。やっぱり最初にそのお菓子を企画した人のお菓子に込められた想いを大切にしたいと思っているので、精一杯サポートできればと思っています。
今:ありがとうございます。ブランドオーナーとして、大きな責任を感じています。でも1人ではなく、いろんな人と一緒にアドバイスを受けながら自分の考えを具現化できているので、責任は感じつつも、めちゃめちゃ楽しいです。
*今さんの新商品は完成後、北海道内外のISHIYA直営店、白い恋人パーク、オンラインショップで販売する予定です。どうぞお楽しみに!
お菓子づくりを通して、私たちが考えていること
高橋:私たちが製造・販売するお菓子は、おいしいこと、安心・安全であることが大前提で、「お客さまのしあわせ」をつくるものだと思っています。お菓子を選ぶ瞬間、買う瞬間、食べる、手渡す瞬間から、どれだけ多くのしあわせをつくれるか、常に考えながら仕事をしています。同時に、「従業員のしあわせ」も大切にしたい。従業員自身がいかに楽しく、自信をもってお菓子を届けられるか。その環境づくりが私の役目だと思って頑張っています。
秋山:言葉が悪いかもしれませんが、お菓子は「食べなくても生きていけるもの」で、しあわせな気持ちになるために食べるものですよね。私たちはそれを届ける側なので、お客さまがどんな思いで買って、その先にどんなしあわせがあるのか、そこにどうやって私たちが貢献できるかを、これからも考えたいと思っています。
小針:私のイメージは「三方よし」で、売り手、買い手、世間の三方が満足することです。私たちのいる工場はお客さまが見えないし、それが意識しづらい場所でもありますが、安心・安全なお菓子をつくって、たくさんの人が喜ぶ姿を想像しながら、現場の全員の力でISHIYAをより良く盛り立てていきたいです。
今:今回のプロジェクトは、経験の浅い自分たち若い世代が、夢を実現させるために思い切ったチャレンジができる貴重な機会だと思います。それを多くの人が支え、チャレンジしやすい土壌があることが本当にうれしいです。また、今回はたまたま自分の企画が通り、会社的にも大きな動きになっていますが、普段からいろいろなチャレンジしている人がISHIYAにはたくさんいるので、小さなチャレンジやその積み重ねにもっと光が当たり、認められる風潮が広がっていく、そういう職場をつくっていけたらと思っています。
