Environment

環境

しあわせをつくるサスティナブルアート

持続可能な社会はシアワセを共有することで叶うもの。

未来を描くアーティストのストーリー

ISHIYAの企業理念「しあわせをつくるお菓子」
そして2020年に掲げた長期ビジョン「100年先も、北海道に愛される会社へ」
これからもずっと100年先も北海道がすばらしいところであり続けてほしい。
そんな想いをお伝えするISHIYAサスティナブルストーリー。

今回は廃棄物からアート作品を制作するプロジェクト「LEMIE.×ISHIYA」について特集します。

作品は4月に札幌ドームで開催された「環境広場ほっかいどう2023」に展示され、多くの方々にも見ていただきました。制作の裏側ではいったいどんなストーリーがあったのでしょう。

サスティナブルな世界へ。を実現するユースたちとの出会い。

2023年2月中旬、札幌市より一通のメールが届きました。
「東京で活動している若者たちがサスティナビリティの実現に取り組んでいる。相談にのってほしい」というもの。

札幌では4月のG7気候・エネルギー・環境大臣会合を控え、道内でも環境への機運が高まる中、同日に札幌ドームでは記念イベント「環境広場ほっかいどう2023」予定されていました。

相談相手というのは一般社団法人SWiTCH(スイッチ)の皆さん。佐座マナさんが代表を務める若者によるサスティナブルな社会の構築のためのプラットフォームです。

「若者との共創プロジェクト」として2023年の春から「札幌共創モデル」をスタートして若者・大学・企業・自治体の4者がサスティナブルな未来について考え、実際にアクションを起こし、全国・世界に発信しています。

そこでアーティストとして活動する佐座レミ(以下:LEMIE.)さんが「環境広場ほっかいどう2023」の会場に廃棄物を使ったサスティナブルアートを制作・展示したいとのいうものでした。

アートにとって、廃棄物置き場は素材の宝庫

ISHIYAの工場ではお菓子の製造工程で原材料などの梱包に使われているプラスチック類の廃棄物が年間約1,000㎥排出されています。これらは全社の廃棄物の割合の多くを占めています。

分別の徹底でリサイクルの促進はもちろんのこと、リサイクル可能な素材への変更についての検討も重ねており、社内でも廃棄物削減に関する取り組みが工場を中心に積極的に行われています。

そこで今回はそのプラスチック素材を提供しアート作品を制作していただくことになりました。

社内でも海洋プラスチック問題の解決に更なる関心を高めるため、芸術という観点から環境意識の啓蒙を図るのは面白いアプローチではないか。そして、アート通じて会場を訪れる多くの方々にハッピーでポジティブな話題を提供できるのは素晴らしいことだなという想いがありました。

そんなことを考えながら、北広島や宮の沢工場の廃棄物置き場で形状や色など数種類のプラスチック素材の採取が始まりました。

LEMIE.さんにサンプルを送り試作などを繰り返していただいた結果、選ばれたのがビニールエプロンでした。これはラング・ド・シャの生地やチョコレート製造時にユニフォームへの付着や異物混入を防ぐために着用するものです。

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工場で収集されたビニールエプロン

サスティナブルが普通になる時代へ、

SAUCE OF HAPPINESS しあわせの泉(みなもと)

数日後、LEMIE.さんから企画書が届きました。

そこにはISHIYAの企業理念「しあわせをつくるお菓子」そして「100年先も、北海道に愛される会社へ」という長期ビジョンにしっくりとはまる素敵なメッセージ添えられていました。

心を軽やかにし、シアワセな気分にしてくれる、おやつの時間。
シアワセはあふれ、周りの人に広がり、みんながシアワセになります。
人から人へとつながっていく、シアワセ。
持続可能な社会は、シアワセを共有することで叶うはずです。

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当日会場にアート作品と共に展示されたパネル

制作は東京と札幌の2拠点で約2か月間かけて行われました。
小さなパーツは東京で、大きなパーツは札幌で。
ISHIYA敷地内の空きスペースも仮設のアトリエとして提供し作品が制作されました。

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社内の仮設アトリエで制作するLEMIE.さん

そして、いよいよ「環境広場ほっかいどう2023」開催前日。
会場での設営の日を迎えました。

当日はISHIYAの新入社員4名も参加し東京と札幌で制作されたパーツが組み上げられていきます。

LEMIE.さんの指示のもと、高さや角度・大小のパーツの位置など360°どこから見てもバランスの取れた作品に仕上げるため細やかな調整を経て作品の全体像が見えてきました。

作業開始から約4時間、そこに現れたのは、まさにシアワセが湧き立つ泉でした。

制作の様子を撮影したタイムラプス

制作を進行する中で、LEMIE.さんはこのようなことをお話しされていました。

「今はコンセプトとプロセス、全てがサスティナビリティであると伝えているから、皆さんに興味を持ってもらえる。でもサスティナビリティが普通になったきたら、プロセスだけでもサスティナビリティでいいじゃないかと」

そう、誰もが持続可能な社会を当たり前として考えられる世界の実現。
LEMIE.さんは作品を通じてその想いを伝えるアーティスト、そして伝道師であると感じた瞬間でした。

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表現の奥深さを知った札幌ドームでの設営

伝わる・つながる。みんなでつくった「SAUCE OF HAPPINESS

私たちがなすべき使命とは。

その想いは制作に携わった社員へもしっかりと伝わっていました。
プラスチック素材の収集にあたった工場スタッフからはこんな声も。

「サスティナブルアートを通してどんなことを伝えられるのか考えていると、私もワクワクしながら集めていました。みんなが当たり前のようにサスティナブルを考えられるきっかけになりました」。

集めた人、作った人だけでなく、これは工場の従業員が美味しいお菓子を作るために日々使っていたエプロン。そして、販売する人、企画する人、営業する人、それを支える人、全ての人がその仕事に携わり事業活動を継続してきたからこそ完成した作品なんです。

Sauce Of Happinessしあわせの泉(みなもと)」

私たちはお菓子づくりを通じて何を成し遂げるべきなのか。そしてその使命とは。
それは安心・安全でサスティナブルな美味しいお菓子をつくり、しあわせをお届けしていくことなのでしょう。
100年先も皆さまにとっての“しあわせの泉”であり続けられるために。

Lemie Saza interview

<関連リンク>
Lemie Saza Artist
一般社団法人SWiTCH